visible ≠ fleeting

大分合同新聞 連載企画「磯崎建築 ☓ 表現」にVisible ≠ Fleetingが掲載

大分合同新聞社様が毎月企画されている、建築会のノーベル賞と呼ばれるプリツカー賞を受賞した、大分県出身の世界的な建築家 磯崎新さんが設計された建築物と、大分にゆかりのあるアーティストとのコラボレーション企画「磯崎建築 ☓ 表現」。

10回目となる今回は、由布院駅を題材として、新作「Visible ≠ Fleeting」の展示を行わせていただきました。

該当記事は、8月26日付の大分合同新聞朝刊に掲載されておりますので、是非ご高覧くださいませ。


アーティストメッセージ

 教会をモチーフに設計された、由布院駅。高い天窓から差し込んでくる光は、この街や往来する人々を祝福する光のように感じられた。ひとときのゆるやかな非日常に胸を躍らせる旅行者。久々に会う家族の出迎えに安心した顔をする帰省した学生。さまざまな想(おも)いや、願いが交錯するこの場所は、さながら祈りの場である教会にも似た印象を受けた。


 たくさんの想いや出来事とともに、人も街も日々変化する。されども、そのときに感じた感情や、きらきらと輝いていた光景は心の中で生き続ける。目を閉じて願えば、いつでも、何度でも触れることができる。感じることでその存在は続いていくのだ。


 今回の作品制作では、それぞれの生活の中で生まれては過ぎていく出来事や感情、光景が想起される空間が由布院駅前に現れることをイメージした。記憶は、一定の空間にのみ存在すると考え、スクリーンが特定の位置に来た時のみ映像が投影されるジェネラティブ(コンピューターで計算された)なものにした。風に揺らめくスクリーンに、瞬間的に映し出される抽象化された由布院の象徴的な景色が、あなたの心に眠る温かなものに触れることを願って。


■ 作品詳細

■ 掲載媒体